イマを重ねそしてミライへ向かおう
WATER BLUE NEW WORLDについて言及するのはいったい何度目だろうか。
WATER BLUE NEW WORLD / Aqours
曲の構成
OP → OP' → イントロ → A → B → B' → サビ → サビ' → 間奏1 → <中略>
Bb G D Eb Ab A D
→ 間奏2 → 間奏2' → C → C' → サビ → サビ' → ED
D A G Ab A D
短3度、属調、半音、下属調、長2度の計5種類の転調が使われている。曲中の転調回数はなんと15回。
各セクションごとの解説
OP (Bbmaj→Gmaj)
1~4小節がⅥm→Ⅳ→Ⅰ→Ⅴで5~8小節がⅥm→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ。佐伯高志はこういう1箇所だけ変える手法をよく使う(4563と4536みたいな)。
9小節目からGmajへ転調。8小節目の最後のDが転調の予告コードで、これはBbmajだとⅢ、GmajだとⅤになる。
ここは言わば序奏のようなセクションで、次のイントロからが本題。
イントロ (Dmaj)
イントロでDmajへ転調。GmajとDmajのピボットコードであるDを使って転調している。
前半はカノンで後半は下降クリシェのよくある進行。
Aメロ (Dmaj)
ここは7小節目のGm(Ⅳm)が意外。急にサブドミナントマイナーが出てくるのでドキッとする。
9~12小節目のⅥm→Ⅴ→Ⅳ→Ⅰは佐伯高志が時々使う進行。他ではあまり見ない(と思う)。
Bメロ (Dmaj→Ebmaj)
前半はⅠ/Ⅲ→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰの繰り返し。個人的にこの進行大好き。
9小節目から半音上がってEbmajになる。ここは特に予告コード無し。
13~16小節目はノンダイアトニックコード(bⅥ,bⅦ)を使った半音下降の進行。15~16小節はメロディーもコードに合わせてBメジャースケールを適用している。
サビ (Abmaj→Amaj)
サビは小室進行。
9小節目から半音上がってAmajになる。ベースをAb→G→F#と半音で繋げながら転調している。
2番はサビが15小節。これは本来の16小節から最後の1小節を省略した形。
これについてはこちらの記事を合わせてどうぞ。
間奏1 (Dmaj)
間奏1でDmajへ転調。サビのメロディーの最後の音がAで、これはAmajとDmajで共通のダイアトニックトーンであり間奏1の最初のコード"D"の構成音でもある。これによって違和感なくDmajへ転調している。
間奏2 (Dmaj→Amaj)
17小節目からAmajへ転調。
17~21小節のⅥm→Ⅲm→Ⅳ・Ⅴ→Ⅰの進行大好き。ラブライブだと「微熱からMystery」や「NO EXIT ORION」等でも使われている。
微熱からMystery / lily white
NO EXIT ORION / Printemps
Cメロ (Amaj→Gmaj)
9小節目からGmajへ転調。8小節目のAがGmajではⅡになるのでⅡ→Ⅵmのセカンダリードミナントで転調している。
ここはOPと同じメロディーだが前半の調がBbmajからAmajへ変わっているためあたかも新しいメロディーが始まったかのように感じる。
ラスサビ (Abmaj→Amaj)
最後のサビは32小節。何度も繰り返しクライマックスを盛り上げている。
ED (Dmaj)
曲中で何度か転調してきたが、ラストでしっかりとDmajへ戻る。
感想
Cメロ~ラスサビの流れが特に美しい。最後に半音上昇するのは常套手段だが、この曲では既存のセクション(OP,サビ)を組み合わせて半音上昇を生み出している。僕たちはひとつの光について書いた記事 でも言ったが、こういう最初から最後まで計算して作られているような曲は本当に魅力的。